歌い手「Mix師さんからMIX済み音源が届きました。何を確認したら良いのですか?」
こんな疑問にお答えします。
- Mix済み音源の8つのチェック項目
- Mix済音源の修正できないところ
- ほんみく専属ライター
- 歌い手歴:5か月
- 作曲の勉強をしながら歌い手をしています
- 初心者目線で役立つ記事を書きます
- Twitterでも活動(@1P_ituka5)
こんにちは。YouTubeに歌ってみたを投稿しているITSUKAです。
私が初めてMix依頼をした時のことでした。
届いた音源と一緒にこのような文章が入っていました。
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これを読んだ私はこんなことを思いました。
- Mixしたら一番いい状態の音源が返ってくるんじゃないの?
- Mix後に修正することがあるの?
- 何を確認したらいいの?
- Mixで直せないところを直してって言っちゃたら恥ずかしいな…
Mix済音源の修正について、初めてでわからない方や恥ずかしくて聞けない方もいらっしゃるかと思います。
なので今回は現役Mix師であり、このブログの管理人のP!xL(ピクセル)さん監修の元、MIX済音源のチェック項目についてまとめてみました。
チェック項目は次の通りです。
- ピッチ・音程
- エフェクトのかかり具合
- ボーカルとオケの音量バランス
- コーラス(ハモリ)
- 歌い出しなどのタイミング
- ロングトーン(伸ばすところ)
- ビブラート(声の揺れ)
- 歌声が聴こえる位置
Mix済み音源のチェック項目を知って、最高の音源をMix師さんと一緒に作っていきましょう!
チェック項目について詳しく解説していきます。
Mix済み音源は何を確認したらいいの⁉︎8つのチェック項目
もう一度チェック項目を確認します。
- ピッチ・音程
- エフェクトのかかり具合
- ボーカルとオケの音量バランス
- コーラス(ハモリ)
- 歌い出しなどのタイミング
- ロングトーン(伸ばすところ)
- ビブラート(声の揺れ)
- 歌声が聴こえる位置
こちらの項目をひとつづつ見ていきましょう
①音程
Mix師さんはボーカルの音程を補正してMixしてくれます。
ただ、Mix師さんも人間なので、100%正しい音程に補正することはできません。
なので納品されたとき、本当に正しい音程に直っているかどうか確認しましょう。
そのとき
- 本家様の音源の通りにしたいのか
- 自分の思っている音程にしたいのか
ここをはっきりさせて音程の確認をしましょう。
もし直してほしい音程があれば、それをMix師さんに伝えて修正してもらいましょう。
②エフェクトのかかり具合
Mix師さんは参考音源を確認して、その音源と同じ種類のエフェクトを提出音源にかけてくれます。
基本的には参考音源通りの仕上がりになるのですが自分が思っていたより、
エフェクトが『強い』または『弱い』と感じる場合があります。
なので納品されたとき、自分が思っているようなエフェクトのかかり具合になっているかを確認しましょう。
そのとき
- エフェクトは自分が思っているより強すぎないか、弱すぎないか
- エフェクトの種類は自分の思っていた種類になっているのか
この2点を確認していきましょう。
基本的にエフェクトの種類が違うことは、ほぼないと思います。
ですが、もし違うと感じることがあれば、Mix師さんに伝えてみてください。
③ボーカルとオケの音量バランス
Mix師さんはボーカル音源の音量を『小さすぎるところは大きく』『大きすぎるところは小さく』調節してくれます。
最終的に、ボーカル音源と演奏の音量のバランスを整えてくださいます。
基本的にバランスが悪いということは少ないですが、
自分のイメージよりボーカル音源が『大きい』『小さい』など感じることがあれば修正してくれます。
なので納品されたとき、ボーカルとオケの音量バランスを確認しましょう。
そのとき
- 曲の全体的な音量のバランスが、自分の思っているようなバランスになっているか
- 部分的に大きいor小さいところはないか
この2点を確認していきましょう。
もし直してほしい箇所があれば、それをMix師さんに伝えて修正してもらいましょう。
④コーラス(ハモリ)
Mix師さんにコーラスの生成を依頼した場合、Mix師さんは参考音源をもとにコーラス生成をしてくれます。
(こちらから依頼しなくてもMix師さんの裁量で作ってくれる場合もあります)
ただ、届いたMix済音源を聴いてみて『ここのコーラスの音程を変えたい』『ここにコーラスを入れたかった』という気持ちになることもあるかもしれません。
なので納品されたとき、コーラスの音程やコーラスが入っている場所の確認しましょう。
具体的には、
- コーラスの音程(3度のハモリか5度のハモリかなど)
- コーラスを入れたい場所or入れたくない場所
この2点を確認してみてください。
もし修正してほしい箇所があれば、それをMix師さんに伝えて修正してもらいましょう。
※ちなみにオクターブユニゾンというコーラスが存在します。
オクターブユニゾンを生成することはできますが、音が劣化してしまうので依頼段階でオクターブ音源を提出することをお勧めします。
↓こちらでオクターブユニゾンについて詳しく説明しています↓
⑤歌い出しなどのタイミング
Mix師さんはボーカル音源とカラオケ音源のタイミングがかみ合うように調節してくださいます。
ただ、自分のアレンジで歌いだしを『早めたい』『遅くしたい』という場合があるかと思います。
なので納品されたとき自分の思っている通りの歌いだしになっているか確認しましょう。
調節してほしい箇所があれば、Mix師さんに伝えて修正してもらいましょう。
⑥ロングトーン(伸ばすところ)
Mix師さんはロングトーン(伸ばすところ)を生成してさらに伸ばしたり、短くしたりすることができます。
基本的にはもとのボーカル音源を活かすために生成しなかったり、短くしないことが多いです。
ロングトーンを生成すると、普通のボーカル音源と少し違う音になってしまうからです。
なので納品されたとき、自分が思っているようなロングトーンになっているかを確認しましょう。
修正をしてほしい場合は、
- 何秒くらいロングトーンを生成したいのか
- 何秒くらいロングトーンを短くしたいのか
この2点を確認して、Mix師さんに伝えましょう。
⑦ビブラート(声の揺れ)
Mix師さんはボーカル音源のビブラート(声の揺れ)を調節することができます。
ビブラートがかかりすぎて歌声が不安定に聴こえる場合、それを修正して安定感のある音源にしてくださいます。
ですが、ビブラートを生成する作業はしないことが多いようです。
音源を確認するときは
- ビブラート(声の揺れ)を減らしたい箇所はないか
- ビブラート(声の揺れ)を作りたい箇所はないか
この2点を確認してみてください。
もし修正してほしい箇所があれば、それをMix師さんに伝え修正してもらいましょう。
※ただしビブラート(声の揺れ)を生成できないMix師さんもいるということです。
ビブラートを生成してほしい方は、生成できるかを依頼するMix師さんに確認してください。
ピクセルさんの話では1曲1万円以上でMIX依頼を受けているMIX師さんはできる方が多いようです。
⑧歌声が聴こえる位置
Mix師さんはボーカル音源が聴こえてくる位置を調節することができます。
例えば、ド真ん中で歌っているように聴かせたり、左右からささやくように聴かせたりです。
基本的に、参考音源通りに音が聴こえてくる位置を調節してくださいます。
ただ、Mix師さんも人間なので、参考音源とは少し違うように聞こえる場合もあります。
また、Mix済み音源を聴いてみると音が聴こえてくる位置を変えたいと思う場合もあるかもしれません。
なので納品されたとき音が聴こえてくる位置は自分の理想通りになっているかを確認してみてください。
具体的には
- もう少し右から聴こえるようにしたいのか
- もう少し左から聴こえるようにしたいのか
- 真ん中から聴こえるようにしたいのか
- もっと遠くから聴こえるようにしたいのか
どこから聴こえたら自分の理想通りなのか考えながら確認していきましょう。
そのとき、イヤフォンをして聴くとわかりやすいのでイヤフォンをして音源を確認しましょう。
※ちなみに、部分的に音が聴こえてくる位置を調節することもできます。
⇒参考に『透明エレジー』という曲をお借りしました。
サビ前(0:51~)の『思い?出せ?』と『中で響く』の部分で音が聴こえてくる位置を変えています。
もし修正してほしい箇所があれば、それをMix師さんに伝え修正してもらいましょう。
MIX済音源で修正できないところ
次にMIX後に修正できないところについて解説していきます。
修正できないところは以下の4つです。
- 音源全体の雰囲気を変える
- ボーカル音源を大きく修正した加工感をなくす
- 『ロングトーンを生成した』場合に発生した加工感をなくす
- 歌詞の修正や滑舌の修正をすること
①音源全体の雰囲気を変える
Mix師さんは参考音源をもとにMixしてくれます。
納品後に、参考音源とは全く違う雰囲気の音源にしてほしいということはできません。
なぜなら、Mixの作業を1からやり直さないといけなくなってしまうからです。
ですので、依頼の際にできるだけ具体的なイメージを伝えておきましょう。
②元の音源を大きく修正した加工感をなくす
Mix師さんはボーカル音源と参考音源が近づくようにMixしてくださいます。
提出された音源と参考音源に大きな違いがあると、その違いをなくしていく作業の際に加工感が出ます。
例えば、音程や歌いだしのタイミングなどです。
なので、加工感を出したくない場合
- 音程を参考音源に近づける
- タイミングを参考音源に近づける
この2点に注意して録音することをオススメします。
ピクセルさんの以下のツイートも参考にして下さい。
これだけはちょっと理解しておいてほしいのですが、
・機械感は出さないでください
・ピッチ(音程)は完璧に合わせてください
この二つの条件を同時に満たそうと思ったら 『録音時点でピッチをほぼ確実に合わせてくる』 必要があります
もっと分かりやすく言うと
ピッチが外れてるほど機械感出ます
③『ロングトーンを生成した』場合に発生した加工感をなくす
Mix師さんは依頼した場合ロングトーンを生成してくださいます。
ただし、生成したロングトーンは機械が自分の歌声のような音をだした音です。
なので本当の自分の歌声とは少し違っていて、加工感が出やすいです。
なので、ここはしっかり伸ばして歌いたい!
ということろは音源もしっかり伸ばして歌った音源を提出しましょう。
④歌詞の修正や滑舌の修正をすること
Mix師さんは歌声を聴きやすくする作業をしてくれます。
ですが、『歌詞の修正』『滑舌の修正』はできません。
なのでMix師さんに音源を提出する前に
- 歌詞の間違えはないか
- 滑舌が悪いところはないか(例:噛んでいるように聞こえるなど)
を確認してから提出しましょう。
歌詞を間違えていることに気づいた場合、Mix師さんに伝えるようにしましょう。
また自分で気づかなくても、Mix師さんが気づいて教えてくれる場合もあります。
ただ、どちらにせよ録音をし直して再提出となります。
そうすることで、Mix師さんの予定も狂わせてしまうことになるので注意しましょう。
また、Mix済音源が手元に届くのが遅くなってしまうこともあります。
ちなみに、私は歌詞を間違えた音源を送ってしまったことがあります。
すごく恥ずかしかったので、しっかり確認することをオススメします!
修正の指摘方法
ここでは修正点があったときの、修正箇所の指摘方法について解説します。
Mixの修正箇所の指摘方法には注意しましょう。
なぜなら、指摘方法がわかりにくいとMix済音源の納期が遅くなってしまう可能性があるからです。
必ず、以下の項目をMix師さんに伝えましょう!
- 音源の『何秒~何秒』に修正箇所があるのか
- 修正箇所の『歌詞』はどのような歌詞か
この2点を伝えるとMIX師さんが修正箇所をすぐに見つけて、修正することができます。
例としてはこんな感じです。
①0:50~1:05 小さな祈りは、まだ残せるかな
音量が小さいので上げてほしい
②1:10 もっと
も の音程がちょっとおかしい
③1:57 chorusのうぉー(低い方)
もう少し音量を小さく
歌詞だけを伝えるだけじゃだめなの?
歌詞だけだとMix師さんが修正箇所を見つけるのに時間がかかってしまいます。
なぜなら、音源を最初から最後まで聴いて、修正箇所を探さないといけなくなってしまうからです。
時には1番と2番で同じ歌詞の曲もありますので、必ず音源の何秒~何秒の箇所なのかも伝えてください。
MIX師さんはどうしてMIX済音源の修正を確認してくれるのか
最後に知っておいていただきたいと思ったので、この項目を書きます。
大前提として、
Mixを依頼したら一番いい状態の音源が返ってきます
ですがMix師さんにとっての『一番いい』と自分にとっての『一番いい』は違うことがあります。
なのでMix師さんはMix済音源を納品してくださる時に、修正箇所がないか聞いてくださいます。
ただ依頼時にどんな感じに仕上げて欲しいかを丁寧に伝えておくと、お互いにとっての『一番いい』の認識が近くなります。
Mix後は曲全体の雰囲気を修正することができません。
なので依頼の際に、具体的なイメージを伝えておきましょう。
具体的なイメージの伝え方については、次のリンクの⑨『要望やイメージは伝えたか』の項目を参照してください。
MIX済み音源のチェック項目まとめ
今回はMix済音源の8つのチェック項目について解説しました。
- ピッチ・音程
- エフェクトのかかり具合
- ボーカルとオケの音量バランス
- コーラス(ハモリ)
- 歌い出しなどのタイミング
- ロングトーン(伸ばすところ)
- ビブラート(声の揺れ)
- 歌声が聴こえる位置
Mix済音源が届いたらこの8つを確認して、Mix師さんと一緒に最高の音源を作っていきましょう。