
歌い手「部屋鳴りを抑えたくて吸音材を買いたいけど貼り方がわからない。初心者にも分かりやすく吸音材の貼り方の手順を教えてほしいです。」
こんなお悩みを解決します。
- 吸音材の使用・設置方法がわかる
- おすすめの吸音材3選

- ほんみく管理人
- 歌ってみた制作株式会社PXstudio代表取締役
- 一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会監事
- ミキシングエンジニア歴:10年以上
- 過去Mix件数:2000件以上
- 歌い手経験あり:3年程度
- Twitterでも発信(@pixl_05)
P!xL(ピクセル)こんにちは。ニコ動、YouTubeでMixer(ミキサー)をしているP!xL(ピクセル)(@pixl_05)です。
以前こんなツイートをしました。
吸音材を使って部屋鳴りを抑えることができれば録音のクオリティは格段にアップします。
録音のクオリティが上がると作品の完成度もグンと良くなります。
しかし、「吸音材ってどうやって使うの?」と疑問に思う方も多いはず。
この記事では、初心者でも分かりやすく、吸音材の貼り方について手順を詳しく解説します。
部屋鳴りを抑えて、録音のクオリティを格段にアップさせましょう!
なぜ吸音材が必要なのか?

部屋鳴りは、音が壁に反射して録音されることで生じます。
この部屋鳴りが多くなると、ボーカルの芯がぼやけたりスカスカした音になってしまい、Mix時に悪影響を及ぼします。
吸音材は、これらの反響音を吸収して、録音時の音質を向上させる役割を果たします。
部屋鳴りについてのもっと詳しい説明は以下の『【効果抜群】歌ってみた録音で部屋鳴りを抑える3つの手段【宅録歌い手用】』をご覧ください。
また、吸音材を導入する前にできる部屋鳴り対策もあるので、まだ下の記事を読んでない方は一度目を通してみることをおすすめします。

吸音材・遮音材・防音材の違い
ここでよく間違われる吸音材、遮音材、防音材の違いについて見ておきましょう。
部屋鳴りを抑えるために購入するのは吸音材です。
吸音材とは

吸音材は、音を吸収し、部屋の中の反響音を減少させるアイテムのことです。
吸音材は通常、柔らかくて多孔質の材料で作られており、音波を吸収して部屋の反響を抑えます。
遮音材とは

遮音材は、部屋から音が漏れたり、外部の音が部屋に入ってくるのを防ぐためのアイテムです。
遮音材は通常、密度が高く、質量が大きい材料で作られており、音波の伝播を阻止します。
防音材とは

防音材は、遮音材と吸音材の両方の特性を兼ね備えています。
つまり、音を吸収し、同時に音の伝播を阻止するための材料です。
防音材は、録音スタジオや演奏室など、音響環境を制御する必要がある場所でよく使用されます。
歌い手のあなたが購入するべきは『吸音材』
歌い手として、部屋鳴りを抑えるために購入すべきは『吸音材』です。
これにより、クリアで自然な音質の録音が可能になります。
部屋の反響を抑える以外の目的で、例えば、外部の騒音が気になる場合や、部屋の外に音を漏らさないようにしたい場合は遮音材や防音材も購入しましょう。
吸音材のタイプは2種類ある
壁や天井に貼るタイプ

吸音材といえばこちらの壁や天井に貼るタイプが一般的です。
両面テープや接着剤を使用して直接壁や天井に取り付けます。
今回はこちらの購入をおすすめします。
おすすめの吸音材は最後に紹介しています。
パーテーションやスタンドで置くタイプ

パーテーションやスタンドで置くタイプの吸音材もあります。
こちらは、移動が簡単で、部屋のレイアウトに応じて配置を変更することができます。
これらは、一時的な録音スペースを設定する場合や、特定の音源を隔離する場合に特に便利です。
また、部屋のデザインを損なうことなく音響を調整するのにも適しています。
壁に貼らずに位置を試せる一方で、置くためのスペースが必要なのがデメリットです。
部屋の広さや固定できる場所に合わせて、貼るタイプと使い分けましょう。
吸音材を貼る場所と設置の手順
吸音材は、歌う位置とマイクの向きを決めてから、その周辺の反射を抑えるように配置します。
効果が出やすい場所は部屋やマイクによって変わるため、「正面から貼って、後ろは最後」と一律に決める必要はありません。
まずは歌う位置とマイクの向きを決める
立って歌うなら、口元の高さにマイクを合わせ、録音の開始・停止をするパソコンにも手が届く位置を探しましょう。
マイクを壁にぴったり寄せず、歌う位置を少し変えて録り比べてみると、反響の違いを確認できます。
以下の図は配置の一例です。青はその図で注目する壁、グレーはほかの壁の参考配置を示しています。
歌う人の後ろの壁

歌ってみたでよく使うカーディオイド(単一指向性)のマイクでは、歌う人の後ろの壁も大事な吸音対象です。
このタイプのマイクは、歌う人を向いた集音面の感度が高いため、歌う人の後ろの壁から戻ってくる反射音も拾います。
Shureの公式ガイドでも、歌う人の後ろに厚い布などを置いて反射を抑える方法が紹介されています。
左右の壁

左右に硬い壁がある場合は、歌う位置やマイクの近くにある側面の壁も確認しましょう。
反響が残るときは左右の吸音材の位置や面積を変え、同じ場所で録音して効果を比べます。
正面の壁

歌う方向の正面にある壁も、声が当たって反射する場所です。
正面の壁が近い場合などは、ここも吸音材を貼る候補になります。
正面だけで十分かどうかは部屋によって変わるので、後ろや左右の壁も含めて録音の変化を確認しましょう。
高さは耳を含む上下の範囲に広げる
貼る高さは、歌うときの耳の高さを含めて、上下に幅を持たせることを考えましょう。
Auralexのボーカルブース向けガイドでは、腰付近から少なくとも耳の高さまでの範囲が示されています。
一般の部屋と小さなボーカルブースでは条件が違うため、この範囲をそのまま固定の正解にするのではなく、歌う人やマイクの高さに合わせて調整してください。
図の枚数や千鳥模様は、必要枚数や最適な貼り方を示すものではありません。
吸音材の大きさ・厚み・材質、覆う面積によって効き方は変わります。
小さなブースでは天井などの反射も検討しますが、取り付ける場合はメーカー指定の方法を守り、落下しないように固定しましょう。
貼る前後を録音して比べる
- 同じ歌・同じマイク位置・同じ入力設定で、設置前の声を録音する。
- 置き型の吸音材などで位置を試し、壁に固定する前に変化を確認する。
- 設置後も同じ条件で録音し、声の輪郭や余計な響きがどう変わったかを聴き比べる。
- 反響が残る場合は、貼る位置や面積を一つずつ変えて試す。
部屋鳴りは録音を聴きながら調整しよう
歌ってみたでは、余計な反響を抑えて録り、Mixでリバーブを加える方法もよく使われます。
そのため、「反響を減らすと必ず不自然になる」と考える必要はありません。
一方で、吸音材は種類によって吸収しやすい音域が違うため、枚数を増やすだけで気になる響きがすべて解決するとは限りません。
枚数だけを目標にせず、録音した声が聴き取りやすくなったかを基準に調整しましょう。
判断に迷ったら、設置前後の音源をいつも依頼しているMix師さんに聴いてもらうのもおすすめです。
最初に購入する吸音材の枚数について

様子を見ながら貼るなら、最初は何枚くらい買えばいいの?
必要な枚数は、パネル1枚の大きさと、実際に覆いたい面積から考えましょう。
同じ6枚でも、30×30cmと50×50cmでは覆える面積が大きく違います。
「6〜12枚あれば十分」「壁の何%を覆えば必ず改善する」とは一律に決められません。
メーカーの性能・設置案内を確認し、試せる範囲から始めて録音で確かめるのがおすすめです。
おすすめの吸音材3選
貼るタイプの吸音材を3つおすすめして今回の記事を終わります。
OTTO 12枚セット

ヘキサゴン形状の吸音材が12個セットで入っています。
デザイン性が高く、部屋の雰囲気を損なうことなく設置することができるので、部屋のデザインにもこだわりたい人にはとてもおすすめ。
カラーバリエーションも豊富です。

もちろん部屋鳴り防止効果もバッチリ。
YOPIN 吸音材 30×30×5cm

サイズは30×30×5cmとコンパクトで、設置が簡単な吸音材。
比較的高品質な素材で作られており、部屋鳴りを効果的に吸収します。
タンスのゲン 吸音材 50×50cm 厚み5.0cm

この吸音材は50×50cmのサイズで、厚みは5.0cmとなっています。
大きめのサイズであるため、広い範囲の音を吸収することができます。
また、厚みがあるため、低音から高音までしっかりと吸収するのが特徴です。
まとめ

吸音材を使うことで、レコーディングの質がぐっと上がります。
歌う位置やマイクの向きに合わせて吸音材を配置し、録音した声を聴きながら調整してみてください。
それじゃ、おわり!






