歌ってみたを投稿している人「使用していい音源とか動画ってどうやって判断したらいいんだろう。著作権に引っかかる基準とか知りたいな。それと人が作った曲を歌って広告収入って得てもいいものなの?」
こんな疑問に答えます。
- ボカロ曲のほとんどはニコニコ動画とYouTubeに投稿するのであればOK!
- CD音源を使っての投稿はNG!
- 収入を得ようと思って投稿していなければ広告収入を得てもOK!(※自己責任)
- Twitterへの投稿はルール上NG!しかし利益を得ていないのでギリOK?(グレーゾーン)
- ほんみく管理人
- 歌ってみた制作株式会社PXstudio代表取締役
- 一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会監事
- ミキシングエンジニア歴:10年以上
- 過去Mix件数:1700件以上
- 歌い手経験あり:3年程度
- Twitterでも発信(@pixl_05)
こんにちは。ニコ動、YouTubeでMixer(ミキサー)をしているP!xL(ピクセル)(@pixl_05)です。
今回は歌ってみたを投稿するときの著作権についてめっちゃわかりやすく書いていきます。
【これは著作権違反?】歌ってみたで使用していい音源、ダメな音源をわかりやすく解説!
そもそも著作権ってなに?
ものすごく簡単に説明すると
著作権=「これは僕が作ったので使いたかったら僕に許可を取ってね!」
ってことが言える権利です。
歌ってみたでいうと
ボカロP「この曲や動画を使いたかったら僕に許可とってね!」
と、こういうことです。
著作権はどんなものにあるの?
『この世にあるもの全て著作権がある』と考えてください。
そのためもちろん「歌ってみた」にも著作権が関係してきます。
まず、歌ってみた動画で使う曲には、「作詞者」「作曲者」「編曲者」「歌手」などの著作者がいます。
そして、これらの著作者は自分の創作した部分に対して、「著作者人格権」と「著作財産権」を持っています。
つまり、
「歌ってみた」をするときには、これらの著作者(作曲者など)から許可を得る必要がある
ということです。
つまり、歌ってみたに使っているカラオケ音源にも、さらにはMV(ミュージックビデオ)にも著作権はあるので、作った人に毎回「使っていいですか?」と許可を取る必要があります。
歌ってみたでいうボカロPや絵師さん、動画師さんですね。
え、毎回許可取ってないんですけど・・・
ですよね。安心してください。
歌ってみたの場合は毎回許可を取らなくても大丈夫です。
歌ってみたに使うカラオケ音源は許可をとらなくていい?
ではなぜ、歌ってみたの場合は許可が必要ないのでしょうか。
先に答えを書きます。
JASRACはニコニコ動画やYouTubeと包括許諾契約を締結しているからです。
そもそもJASRACとは
解説します。
1分だけむずかしい話をするので頑張ってください。
日本にある音楽のほとんどは、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)というところが管理してます。
JASRACとは、日本の音楽業界における著作権料の徴収を、アーティストに変わって行っている大きな団体のことで
音楽に関する権利全般をアーティストから「預かって」代わりに運用してくれる団体です。
少し考えてみれば気づきますが、もしJASRACが無ければ日本のトップアーティストの元には、一体1日にどれだけの問い合わせが殺到するでしょうか。
その問い合わせをJASRACが全て請け負うことによって、わざわざ元のアーティストが対応しなくとも、JASRACが許可を出せるというわけです。
なので本来、楽曲を使うにはJASRACの許可が必要です。
先ほど許可はボカロPに取ると言いましたが厳密にはJASRACにとるんですね~。
しかし、JASRACはニコニコ動画やYouTubeと包括許諾契約を締結しているため、本人の許可なしで楽曲を使用できます。
包括許諾契約って?
簡単に言うと
動画投稿者の代わりに、ニコ動、YouTubeが著作権料をJASRACに収めてくれるという仕組み。
すでにお金はもらってるから、ニコ動やYouTubeに投稿する分には許可取らなくてもいいよ~
と、こういうことです。
しかしCD音源は例外
じゃあ最近買ったCDに入ってたオフボーカルを使って録音したものニコ動に投稿しよ~!
それはNGです。
ちょっとややこしいのですが、CDの音源は音楽出版社が権利を持っています。
これは「わたしたち(音楽出版社)が色々手をかけて頑張って作った音楽を無断で配布しないでね~」ということなんです。
CD音源の使用を許可する、しないというのはJASRACの管轄外ということです。
しかし、限定的に許可されてる場合もありますのでそこはその都度確認ということになりますね。
ボカロ曲を歌って利益を得るのはNG
いくら許可されているからと言ってその歌った曲をCDやDVDに焼いて販売し利益を得るのはNGです。
NGというか法律に触れる可能性があるのでしない方が無難というわけですね。
広告収入はどうなるのか
じゃあニコニコ動画やYouTubeに歌ってみたをあげて広告収入をもらうのはどうなるの?
これは実際微妙なラインなので調べました。
以下引用です。
広告収入だけで『利益を得ている』と解釈される可能性は、低いかもしれません。極端な例ですが、はなっから『広告収入を得るためにやっています!』と公言していれば法律にふれるかもしれませんが、自分の歌っている姿や踊っている姿を見てもらった中で、自然に広告収入を得ている場合は『利益』と判断するには微妙だと思います。
ただ、例えば、「踊ってみた」動画を通して、踊っている本人ではなく、振り付け自体が内容の中心になっている場合には、振り付けのビデオを売っているのと同じだと解釈される可能性はありうると思います。あくまでも、動画に映っている本人が目立っていると解釈されるときは、法律にふれる可能性は低いでしょう。
引用元:http://ure.pia.co.jp/articles/-/24245?page=2-ウレぴあ総研-
らしいです。
意識の違いでギリセーフな感じがありますね・・・。
最近よくあるTwitterへの投稿は?
結論から言うとNGです。
Twitterは著作権管理団体と包括契約(投稿してもいいよ~という契約)を結んでいない為、著作権のルール上はNGです。
・・・といっても実際にはどんどんTwitterに投稿されているのでぶっちゃけグレーゾーンですね。それで利益を出しているわけではないのでギリOKなところはあります。
歌ってみたの『動画に関する著作権』は?
これは『著作権的に歌ってみたの動画ダウンロードはアウトか?【結論:製作者による】』で解説しています。
本家の公式HPに『動画の使用が許可されているかどうか』が記載されています。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
【おまけ】歌ってみたのCDを個人で販売する方法
よくコミケなどで販売されている『歌ってみたのCD』。
あれは所定の手続きを済ませ、著作使用料を支払うことによって誰でも販売することができます。
詳しくは『【手順を解説】個人が歌ってみた(カバー曲)のCDを販売する方法』で詳しく解説しているので、興味がある方は覗いてみてください。
まとめ
今回は歌ってみたの著作権について書いていきました。
内容をまとめると
- ボカロ曲のほとんどはニコニコ動画とYouTubeに投稿するのであればOK!
- CD音源を使っての投稿はNG!
- 収入を得ようと思って投稿していなければ広告収入を得てもOK!(※自己責任)
- Twitterへの投稿はルール上NG!しかし利益を得ていないのでギリOK
でした!
著作権は当たり前のマナー
一見非常に複雑な著作権ですが、求められるものはただごく当たり前のマナーです。
創作物には『その人の心』が込められてるわけで。
それをおざなりにせず創作物、またその創作者を尊重しましょう。
そして、その創作物を使わせていただくときのルールは把握しておきましょうって話です。
あと最後になりますが
ボカロ曲すべての楽曲をJASRACが管理しているわけではないのでそこだけは気を付けてください。
もし「この曲って著作権違反にならないかな・・・( ;∀;)」と不安なようでしたらちゃんと調べるツールがあるので活用してください!
許諾楽曲検索:http://license-search.nicovideo.jp/song
ここに曲名を打ち込むと使用可能かどうかでてきます!
これをしっかりと理解して健全な歌ってみた活動を(`・ω・)ゞ
おわり!