マイク選び中の歌い手「コンデンサーマイクのオススメを教えてください!」
お任せください。
- マイクの選び方を簡単に説明するよ!
- 歌ってみたで使用するコンデンサーマイクのおすすめを予算別に紹介するよ!
- ほんみく管理人
- 歌ってみた制作株式会社PXstudio代表取締役
- 一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会監事
- ミキシングエンジニア歴:10年以上
- 過去Mix件数:1700件以上
- 歌い手経験あり:3年程度
- Twitterでも発信(@pixl_05)
こんにちは。ニコ動、YouTubeでMixer(ミキサー)をしているP!xL(ピクセル)(@pixl_05)です。
今までに1500件を超えるMixを担当してきました。
そんな中歌い手さんから
おすすめのコンデンサーマイクを教えてください!
とメッセージをいただくことがよくあります。
ということで、今回はMix歴10年以上の知見を活かして、価格帯別におすすめのコンデンサーマイクを紹介したいと思います。
マイクの音質はMixの完成度につながります。
Mixの完成度は作品のクオリティー、その後の動画の伸びにつながります。
この記事を見てしっかりと自分に合ったマイクを選んでいきましょう。
因みに
「今から機材を買いそろえるところです!」
という方はこちらの『【2023年最新版】 歌ってみたに最適!高コスパおすすめ必須機材10選!』の記事も参考にしてみてください(`・ω・)ゞ
マイクの選び方の基本
まずマイクには以下の2種類があります。
- ダイナミックマイク
- コンデンサーマイク
まずはざっくり、二種類のマイクの違いを見ておきましょう。
種類 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
ダイナミックマイク | 頑丈で湿度に強い 比較的安価で購入できる 繊細な音は拾えない | 主にライブやカラオケで使用。 |
コンデンサーマイク | 高音質で録音可能 振動や湿気に弱い 比較的高価 | 主にスタジオや自宅でのレコーディングで使用。 |
です。
今回は『コンデンサーマイク』について詳しく解説していきます。
コンデンサーマイクとは
コンデンサーマイクとは、「電気をためられる素子(コンデンサー)」の原理を利用したマイクで、音の振動を電圧の変化にして伝送します。
わかりやすく一言でいうと
電気を使って細かい音や息遣いまでしっかりと録音できる高音質で感度の高いマイク
です。
ダイナミックマイクより高感度。高音質。
しかし、繊細で壊れやすい。
電源はマイク入力端子からコンデンサーマイクに電力を供給するファンタム電源が一般的です。
コンデンサーマイクの選び方
コンデンサーマイクは以下の点に注意して選ぶようにしましょう。
- 指向性
- ケーブルの接続端子
- オーディオインターフェースとの相性
指向性
歌ってみたで使うのであれば、以下の二種類から選ぶようにしましょう。
- 無指向性
- 単一指向性
無指向性
無指向性のコンデンサーマイクは、マイクを中心に360°全方向の音を等しい感度で集音するタイプです。
全方向からの音を拾うため、環境音を拾いやすいのが特徴。
環境音を拾ってしまうため、録音の際はクーラーや冷蔵庫など家電の音に気を配らなければなりません。
(家電の音が大きい場合、止めることも検討)
ただ、あえて周囲の音を集音することで臨場感を出したい場合にはこちらの無指向性が最適です。
単一至高性
単一指向性のコンデンサーマイクは、ひとつの方向からの感度が特に高いという特徴があります。
マイク正面の音に対して感度が高く、マイク背面の音に対して感度が低くなる「カーディオイド」が一般的です。
周囲の雑音が入りにくく、狙った音をピンポイントに捉えやすいのが特徴。
特別な理由で周囲の音を拾う必要がなければ、歌ってみたのボーカル録音にはこちらが向いています。
ケーブルの接続端子
マイク端子は大きく分けてUSBとXLRの2つです。
XLRとは業務用でも用いられる端子で、キャノンケーブルやコネクターと呼ばれる場合もあります。
それぞれの用途と特徴を確認していきましょう。
パソコンとの接続がお手軽なUSBタイプ
ポッドキャストやWeb会議、動画配信、ゲーミングなどに使うのであればUSBタイプがおすすめです。
パソコンやタブレットにUSB接続をするだけで簡単に接続ができるうえ、比較的安価で購入できます。
操作が簡単なので、コンデンサーマイクの入門編としての購入もおすすめです。
また、OTG+Lightningアダプター(別売)を使って、スマホの音声入力に繋げると、より高い音質でスマホに音声収録することが可能です。
音質にこだわるならXLRタイプ
音質にこだわりたいというときには、XLRタイプのマイクを選びましょう。
歌ってみたの録音なら、基本こちらのタイプがオススメです。
USBタイプと比べると価格が高いですが、性能に違いがあります。
優れている点は、ノイズが発生しないことと収音能力です。
USBタイプは端子に電流が流れているため、直接パソコンなどに繋ぐとノイズ音が発生します。
一方、XLRタイプはノイズの影響を受けにくいとされているため、きれいな音の収録が可能です。
オーディオインターフェースとの相性
オーディオインターフェースは、マイクとPCの間で音のやり取りをする音響機器です。
音質の劣化を防ぎノイズ除去もしてくれるので、歌ってみたの録音には必須の機材です。
コンデンサーマイクを購入する際は、持っているオーディオインターフェースと同じ価格帯のマイクを購入しましょう。
マイクが高性能でもオーディオインターフェースが安価なものだと、高音質の録音はむずかしいです。
例えばマイクが3万円、オーディオインターフェースが5,000円など、価格に差があればマイクの性能を十分に発揮できません。
オーディオインターフェースの購入を検討する際は『【プロが厳選】歌ってみたにおすすめのオーディオインターフェース10選』の記事を参考にしてください。
【歴10年のMix師が厳選】歌ってみたにおすすめのコンデンサーマイク8選
それではおすすめのコンデンサーマイクを価格帯別に紹介します。
ご自身の予算に合ったマイクを探してみてください。
初心者向け!低予算で始めたい人はこちらから(1~2万円代)
Audio Technica / AT2020
AT-2020は癖がなく扱いやすいので入門用にはもってこいのマイク。
「コンデンサーマイクの中でも安いやつ!でも音質は落としたくない!」
という方はこのマイク一択でいいと思います。
単一指向性で、回りの音は拾わず声だけ拾う形なので、コンデンサー慣れしていない方でもきれいに録音できますね。
BEHRINGER / B-2 PRO
B-2 PROは、細かなニュアンスまできちんと拾ってくれる高性能コンデンサーマイクです。
「高いのは買えないけど、安すぎるコンデンサーマイクはちょっと不安…」という方にオススメ。
先ほどのAT2020よりも高音質で録音可能。
はじめからキャリングケース/ショックマウント/ウインドスクリーンが付属しており、マイクスタンドに取り付けてすぐにレコーディングを開始することができるのが嬉しいポイント。
音色としては透き通るようなサウンドで、ボーカルのレコーディングには最適なマイクです。
中堅向け!平均点を抑えておきたい人はこちらから(3~5万円代)
BLUE / Baby Bottle SL
こちらのBlueというメーカーのマイクは歌い手さんに非常に人気があります。
同じメーカーのBluebird SLを使用している人をよく見かけますが、個人的にはもう少し思い切って、少し高めのこちらの『Baby Bottle SL』を買うことをおすすめします。
特長としては、中高音がふくよかでオケに混ぜてもしっかりと目立つ。
それゆえにボーカルに特化したコンデンサーマイクと言えるでしょう。
同じ価格帯のコンデンサーのなかでも最も声がよく前に出て、ハッキリと録音できます。
またマイクのデザインも凝っており、超学生さんのような映像付きの歌みた動画を出す方であれば、非常に映える動画になること間違いなしです。
Audio Technica/AT4040
こちらのAT-4040も中堅以上の歌い手さんがよく使っている印象です。
歌ってみた活動に力を入れようと決意したタイミングで購入する方が多いです。
レンジが広く音がクリア。フラットに低音から高い音までバランスよく拾ってくれます。
音に癖がなく、マイクの声に対する着色が少いので自然に声を録音してくれます。
男女問わずシンプルにおすすめのマイクです。
自分の声の特徴が掴めていなかったり、マイクの扱いに慣れていないという方は、このAT4040を購入するのをオススメします。
失敗がなく無難な選択だと思います。
AKG / C214
今、特に人気なC214。
高音質なコンデンサーマイクを探しているという人の入門機として最適。
上記のAT4040がマイルドなサウンドなのに対し、4kHz以上が持ち上がったハイ上がりの特性によりシャキっとしたイメージの音。
特に高音域がきれいに出せる女性の歌い手さんにオススメの一本です。
上級者向け!とにかく高音質で録音したい人はこちらから(6~10万円代)
この価格帯は、プロが個人的に所有しているようなマイクが登場します。
また、現在宅録を行っていて、かつご自身でMIXをやられている方は、この価格帯から上のマイクにすることで非常にMIXが楽になり、作業時間の削減も見込めるので是非おすすめします。
ここから上のランクになってくると、格段にレコーディングの質が向上することは間違いありません。
しかし、マイクの性能をフルに発揮するには『マイクプリアンプ』を導入したり、『録音環境をしっかりと整える』等、きちんと使いこなせる知識も必要になってきます。
また後述しますが、マイクの保管方法にも気を使う必要があるので、ここからの価格帯のマイクを買う方はぜひコンデンサーマイクの扱い方の知識も身に着けていただければと思います。
また、高価なマイクの性能を発揮するためには、高価なインターフェースの購入も必須となってきます。
ここからご紹介するマイクを買う場合は、『【プロが厳選】歌ってみたにおすすめのオーディオインターフェース10選』で紹介している、8万円以上のインターフェースも同時に検討してください。
AKG / C414XLS
こちらのC414 XLSは先ほどのC214の元となっている、AKGのコンデンサーマイクの中でも最も知名度の高いモデル。
極めてフラットな特性で、原音の微細なニュアンスもありのままに収音してくれる質の高いコンデンサーマイク。
高域から低域まで密度の濃い録音が可能で、まるで目の前で歌を聴いているかのような、リアリティーのあるサウンドが特徴。
フラットで自然に録れる、高音質なコンデンサーマイクを求めている方にオススメの一本です。
Audio Technica / AT4050
AT4040の上位互換のこちらのAT4050。
一般的なレコーディングスタジオに常設されていることも多く、プロが個人機として所有しているパターンも多いです。
音はフラットな仕上がりになっており、上位機種なだけあってしっかりとした音の密度でレコーディングを行うことが可能です。
また、大変扱いやすい音で、歌うジャンルに合わせて後からMIXで幅広く味付けをすることも可能です。
歌活動を行いながら、ご自身でMIXをやられている方に非常におすすめできるマイクです。
とはいえ、今現在AT4040を持っていて、買い替えを検討している方にはあまりオススメできません。
というのもそこまで変化を感じられないからです。
ある意味AT4040がコスパの良すぎるマイクです。
もしAT4040から買い替えをご検討の方は次の『TLM102』をオススメします。
NEUMANN / TLM102
TLM102は90年以上のキャリアを誇る声録りの王道マイクブランドNEUMANN(ノイマン)の中でも最もリーズナブルなモデル。
要は本格的なプロの音を自宅でも味わえるマイク。
一番安いモデルでこの価格、というところからもこのNEUMANNというブランドの凄さが伝わります..。
非常にナチュラルですっきりとしたサウンドで、ナレーションやスピーチ、ボーカルなどの“声”の収録には抜群のパフォーマンスを発揮します。
マイク本体のサイズも手のひらに収まる程とってもコンパクト、マイク内部にポップスクリーンが内蔵されており、 ボーカルや音声のレコーディング時の破裂音を防ぐことが可能。
自宅でのボーカル録音だと最強マイクです。
コンデンサーマイクの保管方法
コンデンサーマイクは精密機器です。
なので正しく保管できていないと、音質が悪くなったり、最悪の場合故障の恐れもあります。
高音質を保ちたい!
せっかく高いマイク買ったのに故障なんて嫌だ
そういった物を大事にするあなたの為に、下記の記事でコンデンサーマイクの価格帯別におすすめの保管方法をまとめています。
コンデンサーマイクの購入後、ぜひ目を通して正しい保管方法で保存してくださいね。
まとめ
マイクは歌い手の命です。
マイクの音質が作品のクオリティに大きく関わってきます。
是非『今よりいいマイク』に挑戦してみてください。
因みに
「今から機材を買いそろえるところです!」
という方はこちらの『【2023年最新版】 歌ってみたに最適!高コスパおすすめ必須機材10選!』の記事も参考にしてみてください(`・ω・)ゞ
ダイナミックマイクはこちら
ダイナミックマイクについては別の記事で紹介しているので、興味がある方はのぞいてみてください!
『【現役Mix師が選ぶ】歌ってみたにオススメのダイナミックマイク5選』
それじゃおわり!